【愛知県の建設業許可】執行役と執行役員は何が違う?|建設業許可では扱いが分かれます

【愛知県の建設業許可】執行役と執行役員は何が違う?|建設業許可では扱いが分かれます

一文字違いの「執行役」と「執行役員」は、会社法上の機関と社内の役職名というまったく別のものです。経営業務の管理責任者になれるかどうかも分かれます。両者の違いを愛知県稲沢市の行政書士が解説します。

この記事を書いた人/行政書士久遠事務所 代表 猪飼久遠(行政書士/登録番号26191514)
愛知県稲沢市を拠点に、建設業許可の新規取得・更新・決算変更届・経営事項審査を取り扱っています。


建設業許可の要件を調べていると、「執行役」と「執行役員」という似た言葉が出てきます。一文字違いですが、片方は会社法上の機関、もう片方は法律に根拠のない社内の役職名で、まったくの別物です。


そして建設業許可では、この違いがそのまま経管(常勤役員等)になれるかどうかに直結します。短くまとめます。



執行役と執行役員の違い    DIFFERENCE

  執行役 執行役員
法律上の根拠 会社法(第402条〜) なし(会社が任意に設ける)
置ける会社 指名委員会等設置会社のみ どの会社でも
選任方法 取締役会の決議 社内規程・取締役会決議など任意
登記 される されない
会社との関係 委任契約 多くは雇用契約(従業員)


執行役は会社法上の機関

執行役は、指名委員会等設置会社という特殊な形態の会社にだけ置かれる機関です。この形態では、取締役会が監督に専念し、業務執行は執行役が担うという役割分担になっています。


3つの委員会(指名・監査・報酬)を設ける必要があるため、上場企業でも採用例は多くありません。中小の建設会社で執行役が置かれていることは、まずないとお考えいただいて差し支えありません。


執行役員は社内の役職名

一方の執行役員は、法律の裏付けがない社内制度です。「取締役の人数を絞りつつ、実務のトップに責任ある肩書きを与えたい」という発想から広まりました。


法律上の定義がないため、会社ごとに権限も待遇もバラバラです。取締役に準じる強い権限を持つ会社もあれば、実質的に部長職の名称を変えただけという会社もあります。


【実務上のポイント】
名刺に「執行役員」と書かれていても、登記簿には載りません。役員として登記されているかどうかは、必ず会社の登記簿謄本で確認してください。
「役員です」と言われて話を進めた結果、登記簿を取ったら載っていなかった——というのは実際に起こります。


建設業許可での扱いが変わります    PERMIT

経管になれるのは「常勤役員等」に該当する人です。ここで両者の扱いが分かれます。


立場 常勤役員等 理由
執行役 会社法上の機関であり、登記で地位と権限を証明できるため
執行役員 原則× 法律上の定義がなく、会社ごとに実態が異なるため。ただし条件を満たせば「これらに準ずる者」として認められる余地があります


執行役は登記簿謄本1通で済むのに対し、執行役員は定款・執行役員規程・業務分掌規程・取締役会議事録などを積み上げて、実質的に取締役に準じる権限があることを立証しなければなりません。


国土交通省のガイドラインが執行役員について組織図や業務分掌規程まで求めているのは、法律上の定義がない以上、その会社の内部資料でしか実態を確認できないからです。肩書きだけでは判断されません。

執行役員を経管として認めてもらうための具体的な要件と必要書類は、別記事で解説しています。

まとめ    SUMMARY

▶執行役は会社法上の機関で、指名委員会等設置会社にのみ置かれる。登記される
▶執行役員は法律に根拠のない社内の役職名。登記されない
▶経管の要件では、執行役は常勤役員等に含まれるが、執行役員は原則として含まれない
▶執行役員でも、権限委譲を社内資料で証明できれば認められる余地がある


役員の肩書きと建設業許可上の扱いのズレは、事前に確認しておくと安心です。


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