【愛知県の建設業許可】建設業許可はいつ必要?契約時か着工時かを解説

【愛知県の建設業許可】建設業許可はいつ必要?契約時か着工時かを解説

建設業許可が必要になるのは着工時ではなく請負契約を結ぶときです。軽微な建設工事500万円のライン、税込判断、支給材の合算、分割契約の可否、無許可の罰則までを条文にもとづいて解説します。愛知県の建設業許可専門の行政書士が解説。

建設業許可が必要なのは契約時?着工時?    TIMING

「500万円の工事を受注できた。着工までに許可を取ればいいだろう」——このお考えで進めてしまうと、その時点ですでに建設業法違反になっている可能性があります。


許可が必要になるタイミングは、工事を始めるときではありません。愛知県で建設業許可の取得を検討されている事業者の方に向けて、500万円というラインの正確な意味と、いつまでに許可が必要なのかを整理します。


この記事を書いた人

行政書士久遠事務所 猪飼久遠(行政書士/登録番号26191514)
愛知県内の建設業許可の新規取得・更新・決算変更届・経営事項審査を取り扱っています。



許可が必要なのは「請負契約を結ぶとき」 着工までに間に合わせればよい、ではありません


【前提の確認】
そもそもその工事に建設業許可が必要かどうかは、請負代金の額で決まります。金額の数え方は建設業許可がいらない「軽微な建設工事」の判定方法で解説しています。消費税を含めて判定する点と、注文者から材料の支給を受けた場合に加算する点にご注意ください。

なぜ契約の時点で許可が必要なのか    LAW

根拠は建設業法第2条の定義にあります。


建設業法 第2条第2項(定義)

この法律において「建設業」とは、元請、下請その他いかなる名義をもつてするかを問わず、建設工事の完成を請け負う営業をいう。

条文が「建設業」と呼んでいるのは、工事を施工する行為ではなく「請け負う営業」です。そして第3条は、軽微な建設工事のみを請け負う場合を除いて、建設業を営もうとする者は許可を受けなければならないと定めています。


つまり、請負契約を締結した瞬間に「建設業を営んだ」ことになります。まだ現場に入っていなくても、資材を発注していなくても関係ありません。


【実務のポイント】
実務では「受注が決まってから慌てて許可の相談に来られる」ケースが最も多いパターンです。契約書に判を押す前の段階でご相談いただければ、契約時期の調整や、許可が下りるまでの進め方についてもご提案できます。


軽微な建設工事とは何か    

許可がなくても請け負えるのが「軽微な建設工事」です。工事の種類によって基準が分かれます。


工事の種類 軽微な建設工事にあたる範囲
建築一式工事

1件の請負代金が1,500万円未満(税込)
または、木造住宅で延べ面積150㎡未満の工事

建築一式工事以外
(内装・電気・管・塗装など)

1件の請負代金が500万円未満(税込)


公共工事か民間工事かは関係ありません。元請でも下請でも同じです。木造住宅の150㎡要件は、主要構造部が木造で、かつ延べ面積の2分の1以上を住居として使うものが対象です。


500万円ちょうどの契約は許可が必要です

条文は「500万円未満」と書いています。税込でちょうど500万円の契約は「未満」に該当しないため、許可が必要な工事になります。
「500万円以下ならセーフ」という理解は誤りです。ここを取り違えたまま契約してしまうご相談は、実際に少なくありません。


判断するのは税込金額です

請負代金は、消費税および地方消費税を含めた金額で判断します。
税抜480万円の工事は、消費税を加えると528万円になり、軽微な建設工事の範囲を超えます。見積書の税抜表示だけを見て判断すると、この落とし穴にはまります。


元請から材料を支給される場合

注文者が材料を提供するときは、その材料の市場価格と運送費を請負代金に加えて判断します。
工事代金450万円でも、元請から100万円相当の資材が支給されるなら、合計550万円として扱われます。


【実務のポイント】
「工事代金は500万円未満だから許可はいらない」という説明を元請から受けた、というご相談を時々いただきます。支給材の扱いは見落とされやすい論点です。契約書と支給材の内訳の両方を見ないと判断できません。


契約を分割すれば回避できるのか

できません。工事を2以上の契約に分割して請け負う場合は、正当な理由がない限り、各契約の請負代金を合算して判断します。同一の工事を無理に分けて500万円未満に収めても、規制を免れることにはならず、かえって意図的な脱法と評価されるおそれがあります。


無許可で契約するとどうなるか    PENALTY


無許可で軽微な建設工事を超える工事を請け負った場合、3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金(またはその両方)が科される可能性があります。
法人の場合は、両罰規定により1億円以下の罰金が科されることがあります。


さらに、罰金刑を受けると5年間は建設業許可を受けられなくなります(欠格要件)。
目先の1件のために、その後の営業そのものが立ち行かなくなる——これが最も重い実害です。


許可取得のスケジュールから逆算する    SCHEDULE

契約時点で許可が必要である以上、逆算して動き出す必要があります。実際にかかる期間の目安は次のとおりです。


▶要件の確認・方針決定/数日〜2週間


▶証明資料の収集/2週間〜2か月(ここが最も読めません)


▶申請書類の作成・提出/1〜2週間


▶県の審査/おおむね1か月前後


最も時間がかかるのは、経営業務の管理責任者と専任技術者を証明する資料の収集です。
過去の請負契約書、注文書、確定申告書、前職の在籍証明など、手元にない書類を集める段階で止まる方がほとんどです。


着工予定から逆算すると、遅くとも3か月前には準備を始めておきたいところです。
すでに受注の話が具体化している場合は、契約の締結時期そのものを調整できないか検討する必要があります。


すでに契約してしまった場合

過去の話を取り消すことはできませんが、放置するほど状況は悪くなります。気づいた時点で速やかに許可を取得し、以後は適正な形に整えるのが現実的な対応です。
同種のご相談は珍しくありませんので、経緯を伏せずにお聞かせください。


まとめ    SUMMARY

建設業許可が必要になるのは、工事を始めるときではなく請負契約を締結するときです。500万円のラインは税込で判断し、ちょうど500万円は許可が必要、支給材があれば合算、分割しても回避できません。


受注が見えた段階ではなく、その手前で動き出せるかどうかが分かれ目になります。

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初回相談は無料です

「この契約は許可が必要か」という確認だけでも構いません。見積書や契約書の内容をお伝えいただければ判断します。愛知県内全域に対応しています。