建設業許可申請書の書き方|様式第一号の記入ポイントと必要書類の順番【愛知県知事許可】

建設業許可申請書の書き方|様式第一号の記入ポイントと必要書類の順番【愛知県知事許可】

建設業許可申請書は様式が決まっており、記載方法にも細かいルールがあります。様式第一号の項番ごとの書き方、使用する文字・数字のルール、提出部数、間違えやすい箇所を、愛知県の申請書記載例編をもとに行政書士が整理しました。

この記事を書いた人/行政書士久遠事務所 代表 猪飼久遠(行政書士/登録番号26191514)
愛知県稲沢市を拠点に、建設業許可の新規取得・更新・決算変更届・経営事項審査を取り扱っています。


「様式をダウンロードしたけれど、項番の意味が分からない」「フリガナはどこまで書くのか」——建設業許可の申請書は、書式も記載方法も細かく決まっています。
結論として、申請書は「様式が決められている」だけでなく、使う文字・数字・とじ方まで指定があります。ここを外すと補正の対象になります。


この記事では、愛知県知事許可を前提に、申請書類の全体像、共通の記載ルール、そして中心となる様式第一号の書き方を整理します。



申請書は様式が決められています    FORMAT

建設業許可の申請書は、建設業法施行規則で様式が定められています。自由書式で作成することはできません。


▶様式は愛知県都市総務課のWebページからダウンロードできます
▶提出部数は正本1部及び副本1部の計2部(副本は写し可)
▶申請区分は1〜9まであり、区分によって必要な様式が変わります
▶申請区分7・8・9は必ず許可期間満了の日の30日前までに申請します


区分 内容
1 新規
2 許可換え新規
3 般・特新規
4 業種追加
5 更新
6 般・特新規+業種追加
7 般・特新規+更新
8 業種追加+更新
9 般・特新規+業種追加+更新


出典:愛知県「建設業許可申請手引・様式ダウンロード」/愛知県「建設業許可申請の手引き(申請手続編)」P12


申請書類の全体像    OVERVIEW

新規申請の場合、おおむね次の順番で綴じます。


様式番号 書類名
表紙(愛知県独自様式)
第1号 建設業許可申請書
第1号 別紙一 役員等の一覧表(法人のみ)
第1号 別紙二(1)(2) 営業所一覧表(新規許可等/更新)
第1号 別紙三 県証紙貼付
第1号 別紙四 営業所技術者等一覧表
第2号・第3号 工事経歴書/直前3年の各事業年度における工事施工金額(実績なしの場合も作成
第4号・第6号 使用人数/誓約書
第7号/第7号の2 常勤役員等(経営業務の管理責任者等)証明書 ほか(どちらか一方)
第7号の3 健康保険等の加入状況
第8号 営業所技術者等証明書(新規・変更)+資格を証明する資料
第9号・第10号 実務経験証明書/指導監督的実務経験証明書(該当する場合)
第11号〜第14号 令第3条の使用人の一覧表(該当なしの場合も作成)、住所・生年月日等に関する調書、株主(出資者)調書
第15号〜第19号 財務諸表(法人用/個人用)
第20号・第20号の2・第20号の3 営業の沿革/所属建設業者団体/主要取引金融機関名
裏表紙


出典:愛知県「建設業許可の手引き(申請書記載例編)」目次・許可申請書、添付書類及び確認資料


申請区分ごとに必要になる書類の一覧と確認資料については、必要書類を整理した記事で詳しく解説しています。

全様式に共通する記載ルール    BASIC RULES

記載例編の冒頭にある「一般的注意事項」が、実は最も見落とされる部分です。


▶記入文字は原則として黒又は青のインク。複写・印刷の場合も黒又は青
▶温度変化により無色となるインク(消えるボールペン等)は使用できません
▶数字はすべて算用数字(1、2、3…)で記入
▶文字は楷書で丁寧に記載
▶記載事項のない用紙には「記載事項なし」等と記載
▶申請書類は左とじ
▶副本についてはコピーでも可


出典:愛知県「建設業許可の手引き(申請書記載例編)」一般的注意事項


【実務上のポイント】
「該当がないから空欄で出す」というのは補正の原因になります。該当がない様式も作成し、「記載事項なし」と記載して綴じるのがルールです。工事経歴書や直前3年の工事施工金額、令第3条の使用人の一覧表は、実績なし・該当なしの場合も作成が必要とされています。


使用する文字のルール    CHARACTERS

ここは判断に迷いやすい部分です。


対象 使用する文字
法人の商号 登記事項証明書に記載されている文字
氏名 戸籍上の文字(外国人の場合は住民票に記載の文字)が原則
法人の役員・個人事業主の支配人 新字旧字(栄と榮)や異体字(高と髙)の違いであれば、戸籍・商業登記のどちらの文字でも可
個人事業主・支配人を除く令第3条の使用人 住民票等の文字


例外:戸籍上の文字でなければならない項番

次の項番については、原則どおり戸籍上の文字で記載する必要があります。
▶様式第七号(常勤役員等証明書)/項番20、21
▶様式第七号の二(常勤役員等及び当該常勤役員等を直接に補佐する者の証明書)/項番20、21、25、26、29、30、33、34
▶様式第八号(営業所技術者等証明書)/項番63

【実務上のポイント】
書類全体で使用する文字を統一することが求められています(上記の例外項番を除く)。役員や技術者に旧字・異体字を含む方がいる場合は、申請書の作成に取りかかる前に、戸籍と登記のどちらの表記を使うかを決めて一覧にしておくことをおすすめします。作成途中で表記が混在すると、全様式の見直しが必要になります。


表紙の書き方    COVER

表紙は愛知県の独自様式です。


▶「一般/特定」の不要な文字を消します
▶主たる営業所の所在地は、様式第一号の項番10・11に書いたものと同じものを記載(マンション名等は登記に記載されていなくても記載)
▶商号又は名称は、通常使用している名称でも可
▶代表者氏名は、法人は代表者名、個人は申請者を記載
▶電話番号は主たる営業所のもの
▶申請者以外の代行者が書類を作成した場合は、「書類作成代行者 連絡先記入欄」に行政書士名等を記載


様式第一号(建設業許可申請書)の書き方    FORM 1

申請書の中心となる様式です。項番ごとに整理します。


項番 書き方
01 許可番号 現在有効な許可がある場合に記入
02 申請の区分 1〜9から該当する区分を記入
02右 許可の有効期間の調整 既に許可を受けている建設業の全部を更新し一本化する場合は「1」、そうでない場合は「2」(区分7・8・9のときは必ず「1」)
03 申請年月日 申請の受付日(手数料を納める日)を記入
04・05 許可を受けようとする建設業/既に許可を受けている建設業 一般は「1」、特定は「2」で業種ごとに記入
06・07 商号又は名称(フリガナ/漢字) 法人の種類は略号(株式会社=(株)等)。略号にフリガナは不要。商号の「・」は不要でマスを空けずに記入。濁点・半濁点も同じマスに記入
08・09 代表者又は個人の氏名 姓と名の間を1マス空ける(フリガナも同様)
10・11 主たる営業所の所在地 市区町村コードを一覧表により記入。市区町村に続く町名・街区以下を記入し、「丁目」「番」「号」は-(ハイフン)。法人は登記してある所在地、個人は住民票の住所。マンション名等は登記になくても続けて記載し、「棟」「号室」はハイフンで省略せずそのまま記載
13 法人又は個人の別/資本金額/法人番号 申請時の資本金を右詰めで記入。法人番号は法人のみ記入し、個人事業の方は記載しません
14 兼業の有無 兼業がある場合はその内容を記載
15・16 許可換えの区分/旧許可番号 申請しようとする行政庁以外で現在有効な許可を受けている場合のみ記入
行政庁側記入欄 太枠内は記入しません


出典:愛知県「建設業許可の手引き(申請書記載例編)」建設業許可申請書(様式第一号)記載例


【実務上のポイント】
連絡先欄には、申請書類を作成した方または記載内容に係る質問等に応答できる方を記載します。行政書士が代理・代行する場合は、「所属等」に行政書士事務所名、「氏名」に行政書士氏名、電話番号・ファックス番号に行政書士の連絡先を記載します。
補正の連絡はこの欄に書かれた先に入りますので、日中に確実に連絡が取れる番号を書いておいてください。


「許可の有効期間の調整」を選ぶかどうか    IPPONKA

様式第一号のなかでも、判断が必要なのがこの欄です。


許可の有効期間の調整(許可の一本化)とは

業種追加や般・特新規の申請と同時に、許可日が異なる現在有効なすべての建設業許可の更新申請をまとめて行うことにより、許可日を一つに統一する制度です。
業種ごとに満了日が異なると、更新手続を失念したり、そのつど申請手数料がかかったりします。それを解決するための仕組みです。

出典:愛知県「建設業許可に関するよくある質問と回答(令和8年4月1日版)」A3-8


【実務上のポイント】
一本化を選ぶ場合は申請区分が7・8・9になり、必ず許可期間満了の日の30日前までに申請する必要があります。更新の受付は満了日の3か月前から始まりますので、一本化を検討している場合は満了日の3か月前を目安に準備に取りかかることをおすすめします。期限に間に合わない場合は、更新と業種追加を別々の申請に分けることになります。


更新申請の受付期間や必要書類については、更新手続きを解説した記事もあわせてご確認ください。


別紙一〜四の書き方    APPENDIX


▶別紙一(役員等の一覧表)/法人のみ。執行役員、監査役は役員に含まれません
▶別紙二(1)(営業所一覧表・新規許可等)/新規・許可換え新規・般特新規・業種追加のとき
▶別紙二(2)(営業所一覧表・更新)/更新のとき
▶別紙三(県証紙貼付)/全区分で必要
▶別紙四(営業所技術者等一覧表)/全区分で必要


【実務上のポイント】
別紙一の「役員等」には、法人の役員のほか、顧問・相談役・株主(総株主の議決権の100分の5以上を有する個人、または出資総額の100分の5以上に相当する出資をしている個人)が含まれます(監査役は除きます)。
株主のなかにこの基準に当てはまる方がいるかどうかは、申請書を書き始める前に株主名簿で確認しておいてください。あとから追加になると、その方について後見等登記事項証明書や身元(身分)証明書の取得が必要になり、スケジュールが大きく後ろにずれます。


つまずきやすいポイント    PITFALL


つまずきやすい点 確認しておくこと
実績がないので白紙にした 工事経歴書・直前3年の工事施工金額は実績なしの場合も作成します。令第3条の使用人の一覧表も該当なしの場合に作成が必要です
所在地をハイフンで省略した 「丁目」「番」「号」はハイフンにしますが、「棟」「号室」はハイフンで省略せずそのまま記載します
商号のフリガナ 法人の種類を表す文字((株)等)にフリガナは不要です
個人事業なのに法人番号を書いた 法人番号欄は法人のみ記入します
氏名の文字が様式ごとに違う 全体で統一します。ただし様式7号・7号の2・8号の指定項番は戸籍上の文字です
証明書の有効期限 後見等登記事項証明書、身元(身分)証明書、登記事項証明書はいずれも申請時3か月以内のものが必要です
申請年月日 申請の受付日(手数料を納める日)を記入します。作成日ではありません


【実務上のポイント】
証明書類の3か月という期限は、思っているより早く来ます。役員が複数いる法人では、後見等登記事項証明書と身元(身分)証明書を人数分そろえる必要があり、本籍地が遠方だと郵送請求で2週間程度かかることもあります
申請書の作成と証明書の取得を同時並行で進め、証明書がそろってから残りの書類を仕上げるという順序で組み立てると、期限切れによる取り直しを避けやすくなります。


提出部数・提出先・手数料    SUBMIT


項目 内容
部数 正本1部及び副本1部の計2部(副本は写し可)
提出先 名古屋市内は愛知県都市・交通局都市基盤部都市総務課建設業・不動産業室、それ以外は各建設事務所総務課
提出方法 郵送・投函・窓口での仮受付(愛知県では窓口での対面審査は行っていません)
手数料 新規9万円/更新・業種追加5万円(知事許可)
還付 愛知県手数料条例第6条により、取下げ・不許可でも還付されません


【実務上のポイント】
愛知県では「仮受付(郵送・投函・窓口で書類を預かる)→内容確認→連絡・補正→本受付(手数料を納める)」という流れです。手数料を納めるのは本受付のタイミングですので、書類提出の段階では証紙を貼らずに提出することになります。証紙を先に貼ってしまわないようご注意ください。


申請にかかる費用の全体像(手数料・証明書の取得費用・専門家報酬)は、費用を解説した記事で詳しくまとめています。

押印と行政書士が作成する場合    SEAL

現在、ほとんどの書類は押印不要です。ただし例外があります。


行政書士が作成した場合は記名押印が必要

行政書士の方が書類を作成された場合は、行政書士法施行規則第9条の規定により、申請書等欄外に記名押印が必要です。
建設業許可申請書(様式第一号)、変更届出書(様式第二十二号の二)、届出書(様式第二十二号の三)、廃業届(様式第二十二号の四)については、余白に代理申請を行った行政書士の氏名及び連絡先を記載し職印を押印します(建設業許可申請書は表紙の「書類作成代行者」欄への記載・押印でも可)。

代理申請の場合、申請者・届出者の欄は、代理人の記名の上段に申請者名(法人は法人名及び代表者役職氏名)を必ず記載します。委任状は各申請・届出ごとに1部作成して原本を提出し、日付は申請の日から3か月以内のものとします。


JCIP(電子申請)で申請する場合    JCIP

建設業許可・経営事項審査電子申請システム(JCIP)を用いて申請する場合は、システムのマニュアルに従って入力します。紙の様式に手書きするのとは入力の考え方が異なります。


▶システム上で作成されない書類等は、PDFデータや画像データ化して添付します
▶必要書類のすべてがシステム上に表示されるわけではないため、手引きでの確認が必要です
▶建設業許可申請書表紙・提出票は、愛知県のWebページからExcelをダウンロードして作成し添付します


JCIPの使い方、GビズIDの準備、手数料の納付方法については、電子申請を解説した記事で詳しく整理しています。

よくある質問    FAQ

Q.受付後に書き間違いに気づいた場合、直せますか?

経営事項審査については、愛知県の手引で「原則として、申請書類の受付後は、申請者側の理由による訂正は出来ません」と明記されています。誤った申請内容に基づく結果が通知されることになりますので、申請前の確認が重要です。建設業許可申請についても、受付済みの申請書や届出書の内容に誤りがあった場合の対応は愛知県のFAQに案内がありますので、気づいた時点で速やかに窓口へご相談ください。

Q.更新申請書はゼロから作るのですか?

愛知県のFAQでは、更新申請書は前回の申請書副本を参考にしながら作成するよう案内されています。前回申請から変更箇所があれば変更届の提出が必要ですし、定款や株主(出資者)調書(様式第14号)に変更があれば提出が必要です。副本は必ず保管しておいてください。

Q.許可通知書を紛失しました。再発行できますか?

建設業の許可通知書の再発行はできません。ただし、許可を受けていることや許可の業種を証明するものとして、許可を受けている方からの申請により許可証明書が発行されます(愛知県知事許可業者に限る)。手数料は1通400円で、窓口へ許可証明申請書を持参します。行政書士による提出の場合は、委任状の添付と様式右下余白への記名・職印の押印が必要です。

まとめ    SUMMARY

▶申請書は様式が決まっており、正本1部・副本1部の計2部を提出
▶黒又は青のインク、算用数字、楷書、左とじが基本ルール
▶消えるボールペン(温度変化で無色となるインク)は使用不可
▶記載事項のない用紙にも「記載事項なし」と記載する
▶実績なし・該当なしの様式も作成が必要
▶商号は登記の文字、氏名は戸籍の文字が原則。ただし様式7号・7号の2・8号の一部項番は必ず戸籍上の文字
▶「許可の有効期間の調整」で許可日を一本化できるが、区分7・8・9は満了日の30日前までの申請が必須
▶行政書士が作成した場合は欄外に記名押印が必要
▶JCIPで申請する場合はシステムのマニュアルに従って入力する


申請書の作成から証明書の取得、提出までまとめてお受けします。


初回相談は無料です

「途中まで自分で書いたが合っているか見てほしい」というご相談でも構いません。LINEなら夜間・土日も対応します。


\『建設業許可の相談』と送るだけ/