経審の技術職員名簿はどう書く?業種コード・有資格区分コード・講習受講欄の注意点

経審の技術職員名簿はどう書く?業種コード・有資格区分コード・講習受講欄の注意点

経営事項審査の技術職員名簿(別紙二)の書き方を解説します。1人につき2業種までのルール、業種コードと有資格区分コードの対応、講習受講欄の3要件、審査基準日の満年齢の数え方など、審査で指摘されやすい点を愛知県の手引に沿って整理しました。

この記事を書いた人/行政書士久遠事務所 代表 猪飼久遠(行政書士/登録番号26191514)
愛知県稲沢市を拠点に、建設業許可の新規取得・更新・決算変更届・経営事項審査を取り扱っています。


技術職員名簿(別紙二)は、経審の書類の中で最も間違いが多い様式です。愛知県の手引にも「非常に多い間違い」として名指しで注意書きが入っています。
技術力(Z)はP点の25%を占め、そのうち8割が技術職員数(Z1)で決まります。名簿の書き方ひとつでP点が変わります。


この記事では、技術職員名簿の記載ルールと、間違えやすいポイントを整理します。



名簿に載せられる人    TAISHO

技術職員名簿は、審査基準日において在籍する技術職員全員について作成します。ただし、載せられる人には条件があります。


記載対象になる人

審査基準日以前に6ヶ月を超える恒常的な雇用関係があり、かつ雇用期間を特に限定することなく常時雇用されている者


▶法人/役員(非常勤を除く。監査役も除く)+常時雇用されている職員
▶個人/事業主及び支配人(非常勤を除く)+常時雇用されている職員
▶パート、アルバイト等これに準ずる方は含まれません


※高年齢者雇用安定法による継続雇用制度の適用を受けている者(65歳以下に限る)は、雇用期間が限定されていても技術職員に含めます。


【実務上のポイント】
退職者の扱いに注意してください。審査基準日当日に退職した方も、審査基準日以後に退職した方も、名簿に記載できます。判定はあくまで審査基準日時点だからです。
「決算日の後に辞めたから外そう」と考えて自ら人数を減らしてしまうと、その分Z点が下がります。なお、審査基準日以後に退職して直近の標準報酬決定通知書が出せない方については、健康保険・厚生年金保険被保険者資格喪失届を提示することになります。


出向者を記載する場合は、出向契約書または出向協定書等の出向の事実が確認できる書類を持参します。工事現場に配置する技術者に求められる「直接的かつ恒常的な雇用関係」とは基準が異なりますので、直接的かつ恒常的な雇用関係とはの記事とあわせて確認してください。


1人につき2業種まで    2 GYOSHU

最も重要なルールです。


▶一人の技術職員につき、技術職員として申請できる建設業の種類の数は2つまで
▶3業種以上の資格を持っていても、選べるのは2業種
▶申請していない業種(項番16で選択していない業種)は記載できない


【実務上のポイント】
複数の資格を持つ技術者がいる会社では、誰をどの業種に割り当てるかでZ点が変わります
たとえば技術者が3人いて、全員が土木と建築の両方の資格を持っている場合、全員を土木・建築に振ると他の業種が0人になります。P点を上げたい業種を先に決めてから割り当てるという順序で考えてください。


業種コードと有資格区分コード    CODE

名簿には、業種を数字のコードで記入します。


コード 建設業の種類 コード 建設業の種類 コード 建設業の種類
1 土木工事業 11 鋼構造物工事業 21 熱絶縁工事業
2 建築工事業 12 鉄筋工事業 22 電気通信工事業
3 大工工事業 13 舗装工事業 23 造園工事業
4 左官工事業 14 しゅんせつ工事業 24 さく井工事業
5 とび・土工工事業 15 板金工事業 25 建具工事業
6 石工事業 16 ガラス工事業 26 水道施設工事業
7 屋根工事業 17 塗装工事業 27 消防施設工事業
8 電気工事業 18 防水工事業 28 清掃施設工事業
9 管工事業 19 内装仕上工事業 29 解体工事業
10 タイル・れんが・ブロック工事業 20 機械器具設置工事業    


有資格区分コードは、業種コードに対応する資格を、手引の別表(四)(五)から選んで記入します。


愛知県の手引が「非常に多い間違い」としている点

▶1つの業種について、2つの資格を申請することはできません
(例:管工事に対して2級管工事と配管工(1級)の両方を記載する、といった書き方はできません)
▶項番16で選択していない業種は記載できません
(申請業種以外については、資格を有していても記載できません)
▶業種コードと有資格区分コードが対応していない場合、加点になりません
▶1人の技術職員で、同じ業種コードを2回記入していないか確認してください



資格区分で点数が6倍変わります    TENSU

Z1(工事種類別技術職員数)は、技術職員を資格区分ごとに点数化した「技術職員数値」から算出されます。


点数 区分
6点 一級監理技術者(一級資格または技術士法に基づく資格を有し、かつ監理技術者資格者証の交付を受けている者) 一級建築施工管理技士、一級土木施工管理技士、一級建築士、建設・総合技術監理技術士 等
5点 一級技術者(6点以外の者) 同上の資格で監理技術者資格者証がない場合等
4点 監理技術者補佐 一級建築施工管理技士補、一級土木施工管理技士補 等
3点 登録基幹技能者、レベル4技能者 登録電気工事基幹技能者、CCUSレベル4認定者 等
2点 二級資格者、レベル3技能者 二級建築施工管理技士、二級建築士、第一種電気工事士、一級左官技能士、CCUSレベル3認定者 等
1点 その他技術者 実務経験による主任技術者、指定学科卒業+3年または5年の実務、10年実務 等


技術職員数値=6×(6点の人数)+5×(5点の人数)+4×(4点の人数)+3×(3点の人数)+2×(2点の人数)+1×(1点の人数)


【実務上のポイント】
同じ1人でも、一級資格者で監理技術者講習を受講していれば6、実務経験のみなら1と6倍の差があります。
すでに一級の資格を持っている技術者が監理技術者資格者証を取得していない場合、資格者証の交付と講習の受講だけで5点から6点になります。資格取得よりもはるかに短期間で対応できます。監理技術者資格者証については監理技術者の配置が必要な工事とはの記事で解説しています。


講習受講欄の3要件    KOSHU

「講習受講」欄に「1」と記入できるのは、次の3つをすべて満たす場合だけです。


▶①建設業法第15条第2号イに該当する資格であること(別表(四)で5点となっている資格)
▶②審査基準日時点で有効な監理技術者資格者証の交付を受けていること
▶③監理技術者講習を、審査基準日より前の日付かつ受講した日の属する年の翌年から起算して5年以内に受講していること


現行の二級技術者やその他の技術者が監理技術者講習修了証を持っていても、加点評価にはなりません


なお、講習受講欄はすべての技術職員について記入する必要があります(該当しない場合は「2」)。空欄は不備になります。


その他の記入欄    OTHER

記入内容
頁数(項番81) 3桁で記入(3枚目なら003)。技術職員が0人でも記入が必要
新規掲載者 審査対象年内に新規に技術職員となった者に○印
審査基準日現在の満年齢 審査基準日時点での満年齢
監理技術者資格者証交付番号 審査基準日時点で有効なものの番号(申請日時点で最新のものではない)。先頭の0は省略しない
CPD単位取得数 審査基準日から1年以内に取得した単位数。1人あたり30単位が上限


満年齢は誕生日の前日に上がります

満年齢が上がるのは誕生日の前日です。したがって、誕生日が審査基準日の1日後の方は、審査基準日時点ですでに年齢が上がっていることになります。
若年技術職員(満35歳未満)の割合はW1-7の加点に関わるため、35歳前後の方がいる場合は特に注意してください。

記載の順序は、若年から年齢順、または確認資料(健康保険及び厚生年金標準報酬額決定通知書)の記載順とすると、審査がスムーズです。


「技術者数」「技能者数」とは別物です    BETSU

別紙三には、項番46「技術者数」と項番47「技能者数」という欄があります。これらは技術職員名簿とは対象者が異なります


区分 対象 記載する様式
技術職員
(別紙二)
経審を受審する業種について、営業所技術者等になれる資格または実務経験がある方 別紙二 技術職員名簿
技術者
(項番46)
経審を受審しない業種の資格のみの方、1級・2級の技士補も含む(受審業種の資格かは問わない) 別紙二に載らない方は様式10
技能者
(項番47)
施工体制台帳の作業員名簿に記載される方のうち、施工管理のみに従事した者以外 様式11 技能者名簿


【実務上のポイント】
別紙二・様式10に名前があっても、現場作業に従事しているなら様式11の技能者名簿にも記載が必要です。両方に載ることがあります。
また、現場作業がすべて外注で自社職員は施工管理のみという場合、技能者が0人になりますが、その場合も様式11は添付してください。「該当者なし」等と記載します。
2級の技士補は技術職員名簿の評価対象になりませんが、「技術者」には該当します。CPD単位を取得している場合は様式10に記載してください。


確認資料がそろわないと削除されます    SHIRYO

名簿に記載した技術職員については、次の2種類の資料が必要です。


▶審査基準日6ヶ月超前からの雇用を確認する書類
▶審査基準日現在の常時雇用を確認する書類


いずれも①から順に確認し、最初に当てはまった資料を使います。必要書類がそろわない場合、その方は技術職員名簿から削除することになります。詳しくは経営事項審査の必要書類の記事をご覧ください。


このほか、資格証等の写しと、監理技術者資格者証交付番号の記載がある方については監理技術者資格者証・監理技術者講習修了証の写しも必要です(電子申請でバックヤード連携が正しくされている場合は不要)。


まとめ    SUMMARY

▶審査基準日以前に6ヶ月を超える恒常的雇用があり、常時雇用されている者が対象
▶審査基準日当日・以後に退職した方も記載できる
▶1人につき申請できる業種は2つまで
▶申請していない業種は記載できない
▶1つの業種について2つの資格を申請することはできない(最も多い誤り)
▶業種コードと有資格区分コードが対応していないと加点にならない
▶資格区分により1人あたり6点〜1点。差は6倍
▶講習受講「1」は①1級資格②有効な監理技術者資格者証③講習の有効期間内の3要件
▶満年齢は誕生日の前日に上がる
▶技術職員(別紙二)・技術者(項番46)・技能者(項番47)は対象者が異なる
▶確認資料がそろわない方は名簿から削除される


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