

この記事を書いた人/行政書士久遠事務所 代表 猪飼久遠(行政書士/登録番号26191514)
愛知県稲沢市を拠点に、建設業許可の新規取得・更新・決算変更届・経営事項審査を取り扱っています。
経審の書類は「提出するもの」と「当日持参して見せるもの」の2種類に分かれています。ここを混同したまま準備すると、審査当日に資料が足りず、その場で技術職員名簿から人を削られることもあります。
特に注意が必要なのは、技術職員の雇用を証明する資料です。確認書類がそろわなければ、実際に在籍している技術者でも加点対象になりません。
この記事では、愛知県知事許可業者が経営事項審査を受けるときに必要な書類を、提出書類・持参書類に分けて整理します。
▶申請書類/正本・副本各1部の計2部を提出(電子申請の場合は正本のみ1部)
▶持参書類/審査当日に提示する確認資料。写しで構わない
持参書類は、持参・郵送・投函・電子申請のいずれの方法でも写しで差し支えありません。電子申請の場合でも、持参書類・確認資料を郵送や投函で提出することができます。その場合は予約時に申し出てください(予約票に記載された提出期限は厳守です)。
申請までの手順は経営事項審査の流れの記事にまとめています。
次の順番に綴じて提出します。No.14の経営規模等評価申請等提出票は、綴じずにそのまま提出してください。
| No. | 書類名 | 摘要 |
|---|---|---|
| 1 | 経営規模等評価申請書/経営規模等評価再審査申立書/総合評定値請求書(様式第二十五号の十四) | 申請の本体 |
| 2 | 工事種類別完成工事高・工事種類別元請完成工事高(別紙一) | X1・Z2の基礎 |
| 3 | 工事種類別完成工事高付表 | 完成工事高の移行をする場合のみ |
| 4 | 工事経歴書(様式第二号) | 事業年度終了届に添付済みの決算期間分は省略可 |
| 5 | 審査等手数料証紙貼付書 | 電子収納を希望する場合は不要 |
| 6 | その他の審査項目(社会性等)(別紙三) | 令和8年7月改正で様式変更 |
| 7 | 技術職員名簿(別紙二) | Z1の基礎 |
| 8 | CPD単位を取得した技術者名簿(様式10) | 別紙二に記載した者以外に評価対象者がいる場合のみ |
| 9 | 技能者名簿(様式11) | 技能レベル向上者の評価に使用 |
| 10 | 就業履歴を蓄積するために必要な措置を実施した旨の誓約書及び情報共有に関する同意書(様式12) | 項番54が1または2の場合に添付 |
| 11 | 経営状況分析結果通知書(様式第二十五号の十三) | 総合評定値の請求をする場合は必須 |
| 12 | 建設機械の保有状況一覧表(様式9) | 令和8年7月改正で様式変更 |
| 13 | 外国子会社等についての数値の認定書 | 国土交通大臣の認定を受けた場合のみ |
| 14 | 経営規模等評価申請等提出票 | 綴じずに提出 |
出典:愛知県「経営事項審査申請等の手引」(令和8年7月)P14〜15。愛知県都市総務課建設業・不動産業室
令和8年7月1日施行の審査基準改正に伴い、別紙三(その他の審査項目)と様式9(建設機械の保有状況)が変更されています。旧様式で作成すると受け付けられません。
改正内容は令和8年7月の経審改正のポイントで解説しています。
なお、電子申請でJCIP上に認証キーを入力し、愛知県側で内容が確認できた場合は、No.11の経営状況分析結果通知書の添付が不要になります。
申請するすべての方に必要な持参書類は、大きく4つに分かれます。
▶建設業許可関係書類(許可申請書・事業年度終了届・変更届の各副本)
▶決算関係書類(法人税申告書の控え等)
▶消費税の納税証明書・申告書
▶技術職員等の資格・雇用を確認する書類
このほか、工事経歴書に記載した工事の契約関係書類と、従前の経営事項審査申請書・結果通知書が必要です。
経営規模等評価申請等の時点で有効な許可に係るものをすべて持参します。
事業年度終了届(決算変更届)を提出していない方は、経営事項審査を受けられません。事前に提出してください。
さらに、提出済みの届出書が経審用の記載方法になっていない場合は、差替えが必要です。
差替えの対象になるのは次の様式です。「完成工事高」の2年平均・3年平均の選択に合わせて、必要年数分を経審用にする必要があります。
▶工事経歴書(様式第2号)/「経営規模等評価の申請を行う場合」の記載要領に従ったもの
▶直前3年の各事業年度における工事施工金額(様式第3号)
▶財務諸表(様式第15〜17号の2、又は第18・19号)/税抜き処理にしたもの(免税事業者を除く)
【実務上のポイント】
決算変更届を「経審を受けない前提」で作成していると、この差替えが発生します。今期から経審を受けると決めた段階で、決算変更届の作成方法を経審用に切り替えておくと、二度手間になりません。決算変更届の内容は決算変更届(事業年度終了届)の記事で確認できます。
また、常勤役員等(経営業務の管理責任者)や営業所技術者等の変更届が提出されていないと、経営事項審査の受付ができません。役員の交代や技術者の退職があった場合は、先に建設業許可の変更届を済ませてください。
「完成工事高・元請完成工事高」の2年平均・3年平均に対応した事業年度分を持参します。ただし、経営事項審査を受審済みの事業年度分は省略できます。
| 区分 | 持参する書類 |
|---|---|
| 法人 | 法人税申告書の控え及びその添付書類(決算書を含む) |
| 個人(青色申告) | 青色申告決算書及び添付書類 |
| 個人(白色申告) | 確定申告書/完成工事高・元請完成工事高月別集計表/年間完成工事高が確認できる書類(契約書、請求書等全工事分)/決算に関する一切の書類 |
消費税納税証明書(その1)と消費税申告書も、同じ年数分が必要です(免税事業者は不要)。電子申請でJCIP上から納税情報を取得し、愛知県で確認できる場合は添付不要です。
経審の書類の中で、最も準備に手間がかかるのがここです。
審査基準日以前から6ヶ月を超える恒常的雇用のある方が評価対象です。確認書類がそろう場合でも、雇用期間が限定されている方は対象になりません。パート・アルバイトの方も含みません。
※例外として、高年齢者雇用安定法の継続雇用制度対象者(65歳以下に限る)は、雇用期間が限定されていても恒常的雇用関係があるものとみなして評価対象に含めます。
確認資料は2種類必要です。
▶審査基準日の6ヶ月超前からの雇用を確認する書類
▶審査基準日現在の常時雇用を確認する書類
いずれも、①から順に確認して、最初に当てはまった資料を使います。原則として別の確認方法に差し替えることはできません。
| 順序 | 6ヶ月超前からの雇用の確認書類(いずれか) |
|---|---|
| ① | 健康保険・厚生年金保険資格取得確認および標準報酬決定通知書の写し/健康保険・厚生年金保険被保険者標準報酬決定通知書の写し(申請時直近分+前年度分)/雇用保険被保険者資格取得等確認通知書(事業主通知用)の写し |
| ② | 厚生年金保険70歳以上被用者該当および標準報酬月額相当額のお知らせの写し/住民税特別徴収税額決定通知書(特別徴収義務者用)の写し(いずれも申請時直近分+前年度分) |
| ③ | 給与支給明細書(源泉徴収簿)の写し/出勤簿の写し(雇用日から審査基準日までが6ヶ月超であること) |
| 順序 | 審査基準日現在の常時雇用の確認資料 |
|---|---|
| ① | 申請時直近の健康保険・厚生年金保険被保険者標準報酬決定通知書の写し |
| ② | 申請時直近の厚生年金保険70歳以上被用者該当および標準報酬月額相当額のお知らせの写し |
| ③ | 申請時直近の住民税特別徴収税額決定通知書(特別徴収義務者用)の写し |
①の書類が発行されているにもかかわらず、紛失等により準備できないことを理由に②や③を確認資料とすることは認められません。手元にない場合は、所管部署へ再発行や開示請求の手続きをしてください。
【実務上のポイント】
必要書類がそろわない場合、その方は技術職員名簿等から削除することになります。技術者を1人分落とすとZ点に直接響きます。申請の準備を始めた段階で、名簿に載せる予定の技術者について、社会保険関係の通知書がすべてそろっているかを先に確認しておくことをおすすめします。
なお、個人事業主本人に限り、常勤確認は不要です。連続して経審を受審していて、前回申請時に記載がある技術職員については添付が不要になります。
出向者については出向契約書・出向協定書等の提示が必要です。経審における「6ヶ月超の恒常的雇用」と、工事現場の配置技術者に求められる「直接的かつ恒常的な雇用関係」は別の基準ですので、混同しないよう注意してください。現場側の基準は直接的かつ恒常的な雇用関係とはの記事で解説しています。
許可申請における常勤性の確認資料との違いは、建設業許可の常勤性の確認資料の記事もあわせてご覧ください。
申請業種ごとに、工事経歴書に記載した工事のうち元請の上位3件・下請の上位2件について、契約関係書類を持参します。
▶①工事請負契約書、又は注文書及び請書(控え)の写し
▶②①がない場合/注文書、請書(控え)、支払い通知書、請求書(控え)、工事台帳のいずれかの写し
▶③①②がない場合/領収書(控え)または入金が確認できるもの+発注者からの証明書(工事確認証明書・様式5)
元請の工事が0件の場合は下請の上位2件分、下請が0件の場合は元請の上位3件分を持参します。電子契約を採用している工事は、工事経歴書に記載した内容が確認できる部分を印刷して提示してください。
▶書類は「提出する申請書類14点」と「当日持参する確認資料」の2種類
▶申請書類は正本・副本各1部。No.14の提出票は綴じずに提出
▶令和8年7月1日以降は改正後の別紙三・様式9を使用する
▶事業年度終了届が未提出だと審査を受けられない
▶決算変更届が経審用の記載方法でない場合は差替えが必要
▶常勤役員等・営業所技術者等の変更届の未提出も受付不可の原因になる
▶技術職員は審査基準日以前6ヶ月超の恒常的雇用がある方が対象
▶雇用の確認資料は「6ヶ月超前から」と「審査基準日現在」の2種類
▶確認資料は①から順に、最初に当てはまったものを使う。紛失を理由に下位の資料へ差し替えることはできない
▶工事経歴書は元請上位3件・下請上位2件の契約関係書類を持参
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