

この記事を書いた人/行政書士久遠事務所 代表 猪飼久遠(行政書士/登録番号26191514)
愛知県稲沢市を拠点に、建設業許可の新規取得・更新・決算変更届・経営事項審査を取り扱っています。
建設業許可を取ると、工事現場に技術者を置く義務が生じます。
結論として、許可業者はすべての工事現場に主任技術者を置かなければならず、元請として下請に5,000万円以上を出す場合は監理技術者に切り替える必要があります。金額の大小や元請・下請の別は関係ありません。
この配置ルールは令和7年2月1日に金額が引き上げられ、さらに令和6年12月からは兼任を認める特例も新設されました。改正前の情報が残っている資料も多く、金額を取り違えたまま運用している会社が少なくない部分です。
この記事では、主任技術者と監理技術者の違い、配置が必要になる基準、専任のルール、そして営業所技術者等との関係を整理します。個別の論点については、それぞれ詳しい記事をご案内します。
どちらも工事現場で施工の技術上の管理を担う技術者です。違いはどちらを置かなければならないかの基準と資格要件にあります。
| 項目 | 主任技術者 | 監理技術者 |
|---|---|---|
| 配置が必要な場合 | 請負金額の大小、元請・下請を問わずすべての工事現場 | 元請として下請契約の総額が5,000万円(建築一式8,000万円)以上となる工事 |
| 対象となる業者 | すべての建設業者 | 特定建設業者(元請のみ) |
| 資格要件 | 一般建設業の営業所技術者と同じ(法第7条第2号) | 特定建設業の特定営業所技術者と同じ(法第15条第2号) |
| 資格者証 | 不要 | 専任のときは必要 |
| 根拠条文 | 建設業法第26条第1項 | 建設業法第26条第2項 |
出典:国土交通省中部地方整備局「建設業法に基づく適正な施工の確保」、建設業法第26条
▶それぞれの詳しい解説はこちら
▶主任技術者の配置が必要な工事とは|資格要件・職務・例外
▶監理技術者の配置が必要な工事とは|金額の数え方・指定建設業7業種
【実務上のポイント】
見落とされやすいのは500万円未満の工事にも主任技術者が必要だという点です。許可がなくても請け負える軽微な工事であっても、建設業許可を持っている業者が施工するのであれば主任技術者を置かなければなりません。許可を取った時点で、この義務は自社のすべての現場に及びます。
一方、許可を持っていない業者(軽微な工事のみを請け負う業者)には技術者の配置義務はありません。許可の有無で扱いが変わる部分です。
監理技術者の配置基準は、元請として受注した金額ではなく、下請に出す契約の合計額で判断します。
▶元請として発注者から直接請け負っていること
▶かつ、下請契約の請負代金の総額が5,000万円(建築一式工事は8,000万円)以上であること
▶下請契約が2以上あるときは合計額で判断
▶金額は消費税及び地方消費税を含んだ額
建設業法施行令の改正により、令和7年2月1日から次のとおり引き上げられました。改正前の資料を参照していると誤った運用になります。
▶監理技術者の配置基準/4,500万円(建築一式7,000万円)→ 5,000万円(建築一式8,000万円)
▶施工体制台帳の作成基準/同じく5,000万円(建築一式8,000万円)
▶現場専任が必要な請負金額/4,000万円(建築一式8,000万円)→ 4,500万円(建築一式9,000万円)
出典:国土交通省「建設業の各種金額要件や技術検定の受検手数料を見直します」(建設業法施行令第2条、第7条の4、第27条第1項の改正)
判断の対象になるのは建設工事の請負契約だけです。次のような契約は含めません。
▶資材の売買契約(資材業者との取引)
▶調査業務、測量業務の委託契約
▶運搬業務の契約
▶警備業務の委託契約
【実務上のポイント】
「下請に出した金額の合計」を集計する際、警備や運搬まで含めて5,000万円を超えたと誤解し、不要な監理技術者を配置しようとするケースがあります。逆に、建設工事に該当する契約を除外して集計し、本来必要な監理技術者を置いていなかった、という事態も起こり得ます。契約の性質が建設工事の請負に当たるかどうかを、一件ずつ確認してください。
なお、注文者が資材を提供する場合の請負金額の考え方については、特定建設業許可の5,000万円に提供資材を含めるかを解説した記事で整理しています。
当初は主任技術者を置いた工事でも、工事内容の大幅な変更等により下請契約の総額が5,000万円(建築一式8,000万円)以上になった場合は、主任技術者に代えて監理技術者を設置しなければなりません。
ただし、施工当初からそのような変更が予想される場合は、最初から監理技術者になり得る資格を持つ技術者を配置しておく必要があります。途中で交代させるより、見込みの段階で手を打っておくほうが現場は安定します。
工期の途中で技術者を交代させるための条件は、配置技術者は途中で交代できる?の記事で解説しています。
主任技術者・監理技術者になれる人の要件は、営業所技術者等と同じ基準です。
| 技術者 | なれる人 |
|---|---|
| 主任技術者 | 一級・二級の国家資格者、または指定学科卒業+実務経験、または実務経験10年以上の者 |
| 監理技術者(指定建設業以外) | 一級の国家資格者、または主任技術者の要件を満たし、かつ元請として4,500万円以上の工事で2年以上の指導監督的実務経験がある者 |
| 監理技術者(指定建設業7業種) | 一級の国家資格者または国土交通大臣認定者に限る |
指定建設業は土木・建築・電気・管・鋼構造物・舗装・造園の7業種です。この7業種では、どれだけ経験を積んでいても一級の資格がなければ監理技術者になれません。要件の詳細は営業所技術者等の要件をまとめた記事で解説しています。
主任技術者・監理技術者は、その工事を請け負った建設業者と直接的かつ恒常的な雇用関係にあることが必要です。
▶直接的な雇用関係がない場合/在籍出向者、派遣社員など
▶恒常的な雇用関係がない場合/一つの工事期間のみの短期雇用など
さらに、国・地方公共団体等が発注する公共工事において元請の専任の監理技術者等となる場合は、入札の申込みのあった日以前に3か月以上の雇用関係にあることが必要です。
雇用関係は、監理技術者資格者証の写し、住民税特別徴収税額通知書の写し、健康保険・厚生年金被保険者標準報酬決定通知書の写し、所属会社の雇用証明書の写し等により確認できることが必要とされています。
なお、これは工事現場に配置する技術者の話です。許可申請の際に営業所技術者等について求められる常勤性とは別の基準ですので、混同しないようご注意ください。
元請業者が工事現場に専任で配置する監理技術者(専任特例の場合を含む)は、次の両方を満たしている必要があります(建設業法第26条第5項)。
▶監理技術者資格者証の交付を受けていること
▶監理技術者講習を過去5年以内に受講していること
令和3年1月1日以降、監理技術者講習の有効期限の起算日は講習を受講した日の属する年の翌年1月1日となり、同日から5年後の12月31日が有効期限となります(建設業法施行規則第17条の17)。
専任の監理技術者として選任されている期間中は、いずれの日においても講習を修了した日から5年を経過することのないように受講しておく必要があります。
監理技術者講習の修了履歴については、発注者等から提示を求められることがあるため、講習修了後に修了履歴のラベルを資格者証の裏面に貼付する取扱いになっています。
また、選任された監理技術者は、当該建設工事に係る職務に従事しているときは常時これらを携帯し、発注者から請求があったときは資格者証を提示しなければなりません(同条第6項)。
【実務上のポイント】
資格者証が必要になるのは専任の監理技術者の場合です。監理技術者であっても専任を要しない工事であれば、資格者証がなくても配置自体は可能です。ただし、公共工事や専任を要する民間工事を受注する予定があるなら、受注が決まってから講習を受けるのでは間に合わないこともあります。対象となり得る技術者については、あらかじめ資格者証の取得と講習の受講状況を確認しておくことをおすすめします。
なお、工事現場に掲げる建設業の許可票には、専任の有無や資格者証交付番号を記載する欄があります。掲示のルールは建設業の許可票(金看板)のサイズ・様式・掲示場所を解説した記事をご覧ください。
次の要件を両方満たす工事では、主任技術者または監理技術者を工事現場ごとに専任で置かなければなりません(建設業法第26条第3項、施行令第27条第1項)。
▶公共性のある施設若しくは工作物、又は多数の者が利用する施設若しくは工作物に関する重要な建設工事であること
▶工事一件の請負金額が4,500万円(建築一式工事は9,000万円)以上であること
「公共性のある施設等」という言葉から公共工事だけを想像しがちですが、実際の範囲はかなり広いものです。
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| ① | 国又は地方公共団体が注文者である施設又は工作物に関する建設工事 |
| ② | 鉄道、道路、橋、河川に関する工作物、飛行場、港湾施設、上水道、下水道、電気事業用施設、ガス事業用施設、学校、図書館、美術館、病院、市場、百貨店、事務所、ホテル、共同住宅、公衆浴場、神社、寺院、教会、工場、倉庫等の建設工事 |
戸建て住宅と長屋を除く、ほとんどの施設が対象になります。民間工事であっても、共同住宅や工場の工事で請負金額が4,500万円以上になれば専任が必要です。また、下請工事であっても適用されます。
対象施設の全一覧、併用住宅の按分ルール、専任期間の考え方は、技術者の専任とはの記事で詳しく解説しています。
専任とは、他の工事現場に係る職務を兼務せず、勤務中は常時継続的に当該工事現場に係る職務にのみ従事していることをいいます。工事現場に常に張り付いていることまでは求められていません。
▶研修、講習、試験への参加、休暇の取得、働き方改革を踏まえた勤務体系その他の合理的な理由による短期間(1〜2日程度)の離脱/適切な施工体制を確保できる場合は差し支えない
▶それを超える期間、又は終日離れている状況が週の稼働日の半数以上になる場合/元請の技術者は発注者、下請の技術者は元請等の了解を得ていれば差し支えない
契約工期の全期間にわたって専任が必要なわけではありません。次の期間は専任を要しないとされています。
| 場面 | 専任を要しない期間 |
|---|---|
| 元請工事 |
①契約締結後、現場施工に着手するまでの期間 |
| 工場製作を含む工事 | ④橋梁、ポンプ、ゲート、エレベーター等の工場製作のみが行われている期間 |
| 下請工事 | ⑤専任が必要なのは、下請工事が実際に施工されている期間 |
いずれの場合も、発注者と建設業者の間でこれらの期間が設計図書もしくは打合せ記録等の書面により明確になっていることが必要です。
【実務上のポイント】
下請工事については、自ら直接施工する工事がない期間であっても、下請負を行っている業者が現場で作業を行っている期間は専任が必要とされています。自社の作業が止まっているから技術者を外してよい、という判断はできません。
また、③の「検査後の事務手続のみが残っている期間」については、発注者の都合により検査が遅延した場合、その期間(検査日を含む)も専任を要しないとされています。
下請の立場での技術者配置は、下請業者の主任技術者の記事にまとめています。
従来、専任が必要な工事の技術者は他の現場と兼任できませんでした。令和6年12月13日の改正により、2つの特例が設けられています(建設業法第26条第3項第1号・第2号、第4項)。
主任技術者・監理技術者のどちらにも使える特例です。次の要件をすべて満たす必要があります。
▶請負金額が1億円(建築一式工事は2億円)未満であること(施行令第28条)
▶兼任できる現場は2以下(施行令第30条)
▶工事現場間の距離が、1日で巡回可能かつ移動時間おおむね2時間以内(片道)
▶下請次数は3次まで
▶連絡員を配置すること(土木一式・建築一式の場合は当該工事種類の実務経験1年以上の者)
▶施工体制を確認できる情報通信技術の措置を講じていること
▶人員の配置を示す計画書を作成し、保存すること
▶現場状況を確認するための情報通信機器を設置していること
情報通信技術の措置については、現場作業員の入退場が遠隔から確認できるものとされ、建設キャリアアップシステム(CCUS)またはCCUSとAPI連携したシステムが望ましいとされています。現場状況の確認機器は、映像及び音声の送受信が可能であればよく、一般的なスマートフォンやタブレット、WEB会議システムでも構いません。ただし、山間部等で確実な情報のやりとりができない場合は要件を満たしません。
8つの要件それぞれの詳しい内容と計画書の記載事項は、主任技術者・監理技術者は複数現場を兼務できる?の記事で解説しています。
監理技術者だけに使える特例です。監理技術者の職務を補佐する者を工事現場ごとに専任で置く場合、監理技術者は2現場まで兼務できます(施行令第30条)。
▶監理技術者補佐になれるのは、主任技術者の資格を有する者のうち1級技術検定の第一次検定合格者(1級施工管理技士補)、又は監理技術者の資格を有する者(施行令第29条)
▶ただし、機械器具設置工事・さく井工事・消防施設工事・清掃施設工事は、監理技術者の資格を有する者に限られる
▶主任技術者には専任特例2号は使えない
▶同一の技術者が、専任特例1号を活用した現場と専任特例2号を活用した現場を兼務することはできない
▶現場が1つであっても補佐を置くことは可能だが、その場合は他の現場を兼務できない
出典:国土交通省「監理技術者等の専任義務の合理化・営業所技術者等の職務の特例」、監理技術者制度運用マニュアル
監理技術者補佐の要件と1号・2号の使い分けは、監理技術者補佐と特例監理技術者の記事で解説しています。
【実務上のポイント】
どちらの特例も、体制を先に整えなければ使えません。連絡員の確保、情報通信機器の設置、計画書の作成と保存は、受注してから慌てて用意できるものではありません。技術者不足への対応として活用を検討する場合は、要件を一つずつ自社の体制と照らし合わせてください。
なお、監理技術者補佐を置いた場合でも、監理技術者はその職務が適正に実施される責務を負い続けます。責任が移るわけではない点に注意が必要です。
専任特例とは別に、以前から認められている兼任のルールもあります。
| 制度 | 内容 |
|---|---|
|
密接な関連のある2以上の工事 |
同一の建設業者が、同一の場所又は近接した場所で密接な関連のある2以上の工事を施工する場合、同一の専任の主任技術者が管理できる。この規定は専任の監理技術者には適用されません |
| 複数工事を同一とみなす取扱い | 契約工期が重複し、それぞれの工事の対象が同一の建築物又は連続する工作物である場合、全ての注文者から書面による承諾を得たうえで、同一の主任技術者又は監理技術者が管理できる |
「近接した場所」とは工事現場相互の間隔が10km程度、管理できる工事の数は専任が必要な工事を含む場合、原則2件程度とされています。
複数の工事を同一の工事とみなして管理する場合、金額の判定も合計額で行われます。
▶これら複数工事に係る下請金額の合計が5,000万円(建築一式8,000万円)以上/特定建設業の許可が必要になり、監理技術者の設置が必要
▶これら複数工事に係る請負代金の合計が4,500万円(建築一式9,000万円)以上/技術者は専任でなければならない
技術者を1人にまとめた結果、かえって重い義務が生じることがあります。
原則として、営業所技術者等は現場の主任技術者・監理技術者になることができません。営業所技術者等は所属営業所に常勤して専らその職務に従事することが求められているためです。
ただし令和6年12月13日以降、一定の要件を満たす場合に限って兼務が認められています(建設業法第26条の5)。
▶特定営業所技術者/監理技術者又は主任技術者の職務を兼ねることができる
▶営業所技術者/主任技術者の職務を兼ねることができる
▶いずれも、当該営業所において締結された工事であることが前提
▶専任特例を活用する場合との併用はできない
専任を要する工事を兼務する場合の要件は専任特例1号とほぼ同様で、請負金額1億円(建築一式2億円)未満、兼任現場は1工事現場、移動時間おおむね2時間以内、下請3次まで、連絡員の配置などが求められます。専任を要しない工事であれば、営業所と現場が近接していること、常時連絡をとりうる体制にあること等が要件です。
3つの兼務ルートの使い分けは、営業所技術者等は現場の技術者を兼務できる?の記事で整理しています。営業所技術者等の要件そのものについては、営業所技術者等の要件を一般・特定別に解説した記事をご覧ください。
一定の条件を満たす特定専門工事では、下請負人の主任技術者の配置が不要になります(建設業法第26条の3、施行令第31条)。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象工事 | 型枠工事又は鉄筋工事であって、元請負人が当該工事を施工するための下請契約の請負代金の額(2以上あるときは合計額)が4,500万円未満のもの |
| 元請側の要件 | 元請負人が置く主任技術者が、同一種類の工事に関し1年以上の指導監督的実務経験を有し、かつ当該工事現場に専任で置かれること |
| 手続 | 元請負人と下請負人が書面で合意し、あらかじめ注文者の書面による承諾を得ること |
| 制限 | 主任技術者を置かない下請負人の再下請負は禁止(法第26条の3第8項) |
なお、監理技術者の配置が求められる工事の元請には、この規定は適用されません。
特定専門工事の詳しい要件は、下請業者の主任技術者の記事で解説しています。
逆に、主任技術者・監理技術者に加えて技術者を置かなければならない場合もあります(建設業法第26条の2)。
▶土木一式工事又は建築一式工事の中に他の専門工事(軽微な工事を除く)が含まれている場合
▶許可を受けた建設業に附帯する他の建設工事(軽微な工事を除く/いわゆる附帯工事)を施工する場合
この場合、次のいずれかを選ぶ必要があります。
| 選択肢 | 内容 |
|---|---|
| ① | 主任技術者又は監理技術者が、その専門工事・附帯工事についても主任技術者の資格を有している場合、その者が専門技術者を兼ねる |
| ② | 同じ会社の中で、その工事について主任技術者の資格を有する別の者を専門技術者として設置する |
| ③ | その工事について建設業の許可を受けている専門工事業者に下請けする |
一式工事で請け負える工事の範囲については、土木一式・建築一式の許可で請け負える工事の範囲を解説した記事をご覧ください。
技術者の配置義務は、共同企業体の各構成員にも適用されます。共同施工方式(甲型)ではJV全体の金額で、分担施工方式(乙型)では分担工事の金額で、監理技術者の要否と専任の要否を判断します。
甲型・乙型それぞれの配置ルールと、公共工事で求められる資格要件は、JV工事の配置技術者の記事で解説しています。
技術者の配置は建設業法上の義務です。違反すれば、許可行政庁による監督処分の対象になります。
| 処分 | 内容 |
|---|---|
| 指示 | 法令違反や不適正な事実の是正のため、具体的にとるべき措置を命令される |
| 営業の停止 | 指示処分に従わないときなど。停止期間は1年以内で許可行政庁が決定 |
| 許可の取消し | 情状が特に重いと判断された場合など |
主任技術者及び監理技術者の設置等に関する規定(法第26条、第26条の2)は、元請である特定建設業者が下請業者に対して法令遵守の指導に努めるべき対象としても明示されています。自社だけでなく、下請の技術者配置についても元請が確認すべき事項だという点は押さえておく必要があります。
【実務上のポイント】
技術者の配置は、施工体制台帳や施工体系図に記載され、公共工事では発注者に提出されます。書類上は配置していることになっているが、実際には別の現場を見ているという状態は、台帳との突合で発覚します。
特に、専任が必要な工事で兼任の特例要件を満たさないまま複数現場を持たせる運用は、監督処分に直結します。金額基準が令和7年2月に変わったことで、これまで専任不要だった規模の工事が対象になったり、逆に外れたりしています。受注のたびに現在の金額基準で判定する運用に切り替えてください。
建設業許可を持っている業者であれば必要です。主任技術者の配置義務は請負金額の大小を問いません。ただし、専任である必要はなく、その技術者が各現場で職務を誠実に行うことが可能な範囲であれば、複数現場の兼務が可能です。
できません。主任技術者・監理技術者には工事を請け負った建設業者との直接的かつ恒常的な雇用関係が必要とされており、派遣社員や在籍出向者は認められません。なお、建設業務への労働者派遣は労働者派遣法第4条第1項により禁止されています。
必要ありません。監理技術者を置く義務があるのは、発注者から直接工事を請け負った元請の特定建設業者だけです。一次下請以下の業者は、請負金額にかかわらず主任技術者を配置します。ただし、専任のルールは下請工事にも適用されるため、下請の請負金額が4,500万円(建築一式9,000万円)以上であれば、その主任技術者は専任でなければなりません。
▶許可業者は、請負金額の大小・元請下請を問わずすべての現場に主任技術者を置く(法第26条第1項)
▶元請として下請契約の総額が5,000万円(建築一式8,000万円)以上になる場合は監理技術者(法第26条第2項)
▶この金額は令和7年2月1日に4,500万円から引き上げられた
▶指定建設業7業種の監理技術者は一級の国家資格者等に限られる
▶請負金額4,500万円(建築一式9,000万円)以上の重要な建設工事では技術者が専任(下請にも適用)
▶専任は常駐ではない。着手前・全面中止中・検査後の期間等は専任を要しない
▶令和6年12月から専任特例1号(情報通信技術の活用)・2号(監理技術者補佐)による兼任が可能
▶技術者には直接的かつ恒常的な雇用関係が必要で、派遣・在籍出向は認められない
▶違反すれば指示・営業停止・許可取消しの監督処分の対象になる
▶主任技術者の配置が必要な工事とは|資格要件・職務・置かなくてよい例外
▶監理技術者の配置が必要な工事とは|5,000万円の数え方と指定建設業7業種
▶技術者の専任とは|4,500万円以上の工事と対象施設の範囲
▶主任技術者・監理技術者は複数現場を兼務できる?|専任特例1号の8要件
▶監理技術者補佐と特例監理技術者|1級技士補で2現場を兼任する方法
▶営業所技術者等は現場の技術者を兼務できる?|3つのルート
▶配置技術者は途中で交代できる?|認められる条件と引継ぎ
▶下請業者の主任技術者|職務・専任・特定専門工事の特例
▶JV工事の配置技術者|共同施工方式と分担施工方式
▶直接的かつ恒常的な雇用関係とは|出向・派遣・応援の可否
技術者の配置は許可取得後に毎日発生する義務です。許可の要件そのものを確認したい方は、建設業許可の5つの要件をまとめた記事から確認してください。
「この工事は監理技術者が必要か」「専任にしなければならないか」の判断でお困りの際もご相談ください。
配置基準の判断や、特定建設業許可への切り替えの検討だけでも構いません。LINEなら夜間・土日も対応します。
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